• 花冷え
    花見酒

  •  桜があちらこちらで咲き誇り、美しい季節となりました。差し込む陽の光も柔らかく、重たい服を脱ぎ捨てて、色とりどりに咲かせた花を愛でながらぽかぽかと暖かな外の空気に包まれていたくなります。しかし、こんな桜の咲く頃は陽気がまだ定まらず急激に寒くなる日が度々訪れます。花冷えとも、寒の戻りとも言われるこの時期は気温が日ごとに変化するため、花見などに出かける時などは気温の変化を気にしながら体調管理につとめたいものです。花見の席でよくふるまわれる日本酒には温度ごとに呼び名があることをご存知でしょうか。温度が10度の冷酒の呼び名は「花冷え」。0度は「みぞれ」、5度は「雪冷え」、さらに15度は「涼冷え(すずびえ)」と5度ごとに呼び名を変えます。これは日本酒が5度の差で味わいや香りがかなり変化するものだからです。さらに30度は「日向燗(ひなたかん)」その後、5度熱くなるごとに「人肌燗(ひとはだかん)」、「ぬる燗」「上燗(じょうかん)」「熱燗(あつかん)」「飛び切り燗(とびきりかん)」と呼ばれます。外の景色だけでなく、言葉の表現でも日本の美しさをたくさん感じ取れる春という季節。花冷えの頃の花見の折は、ふるまい酒ばかりは「花冷え」ではなく、少し熱めの燗の花見酒がよいかもしれません。