• ことはじめ。

  • 師走を迎え、いよいよ今年も残りひと月となりました。何かと慌ただしい年の暮れですが、この十二月は今年一年を締めくくるとともに、新しい年を迎えるための大切な月でもあるのです。
    昔の人は十二月十三日を“ことはじめ”といい、お正月に年神様をお迎えする準備を始めました。しめ飾り、松飾りは二十苦につながる二十九日に飾ることは良くないこととされています。また、年神様をお迎えするための飾りをたった一夜で済ませることは誠意に欠けると三十一日の大晦日に飾ることも一夜飾りといって良いことではありません。
    古い年の不浄を祓い、外からの災いを家中に入れないとされる藁で編むしめ縄。用いる材料ひとつひとつにも日本人としての大切な心を宿しています。“ことはじめ”の頃から準備を始め、年末には、この一年の無事を感謝しながら玄関の軒下に丁寧に飾り、素晴らしい新年をお迎えしましょう。
  • にほんのこころ。にほんのかたち。

    お正月にいただく食べ物には、素材、調理法、かたちなどに縁起をかついだり、願いを込めたりしているものが多くあります。それが日本の文化であり、日本人としての細やかな心をそこに見て取ることができます。御節料理の「田作り」「数の子」「黒豆」や、鏡餅で用いられる「橙」「裏白」「するめ」をなぜ食べたり飾ったりするのかなどを、子ども達に調理を手伝わせたり一緒に食べたりしながら、そこに込められた意味を伝えていくことは、私たち日本人としての心を代々受け継いでいることでもあるのです。
    和菓子の世界も同じです。そのかたちが意味を持ち、その時期ならではの日本人の心が映し出されたお菓子は数多くあります。お茶席などかしこまった席だけではなく、家族が集う団欒のひとときのお茶菓子として、名前やかたちのもつ意味や、そこに映された季節などを話題に和菓子を楽しんではいかがでしょうか。
  • 菓子:迎春上生菓子「竹」「咲分」