• 大地啓き、花笑う。

  • 一雨ごとに空気が暖かさを纏い、季節の移り変わりを感じるようになってきました。そんな、ぽかぽかとした春の陽気に誘われるように、長い冬を土中で過ごしていた虫たちが地上にでてくる“啓蟄”を3月5日に迎えます。三月の和風月名の弥生は、「いよいよ」という意味を持ちます。いよいよ様々な命のエネルギーが地上に解き放たれる時となったのです。
    暖かな陽に向かい人がほっこり笑顔になるように、花の蕾もほころび、すっかり春色が濃くなるのもこの頃から。花が咲くことを昔は「笑う」といっていました。人の笑顔も、花が咲くことも、「笑う」「ほころぶ」と表します。
    冬の間にしっかりとエネルギーを溜め、春の陽気とともに一気に陽に向かいエネルギーを解放する自然のリズムは、虫やいきものも、花や草木も、わたしたち人も同じなのです。
  • 暑さ寒さも彼岸まで。

    春雷が春の訪れを告げ、大地から冬ごもりしていた虫たちが雷の音に起こされて這い出て来る頃になると日ごとに暖かさも増し、田の稲や作物もどんどん育ち始めます。そんな三月の半ばに迎える春分は「自然を讃え、生物を慈しむ」日とされ、お彼岸の中日と呼ばれます。お彼岸とはこの中日の前後三日間をさし、先祖供養やお墓参りをいたします。
    春のお彼岸にぼたもちを食べる習慣がありますが、このぼたもちは、昔、牡丹の花が咲く春のお彼岸の頃に小豆餡を牡丹の花に見立て、豊穣を祈い先祖・神仏に捧げる供物として捧げていたお菓子なのです。そのため、春のお彼岸に供物として用い、食べられるのは“ぼたもち”、萩の花の咲く秋のお彼岸に用いるのは、同じ材料で作っても“おはぎ”と呼ばれます。
    お彼岸を迎える頃は、一年のうちでも一番過ごしやすい時期。先祖にお参りをした後は、お気に入りのお重にぼたもちを詰めて、いつものお茶の時間を気持ちの良い外で過ごしてみてはいかがでしょう。
  • 菓子:「ぼたもち」「黒豆黄粉のぼたもち」