• 夏と秋が行き交う空のもと。

  • 八月に入り、暑い盛りは続いていますが、間もなく暦の上では秋。八月七日は立秋です。そして、八月も中旬ともなると日本人にとって大切な行事のひとつであるお盆を迎えます。十三日頃にお墓参りをして、迎え火を焚きご先祖をお迎えし、十五日頃には送り火を焚いたり、川へご先祖を送る灯籠流し・精霊流しを行う地域もあるようです。また、お盆の期間中にご先祖の魂の乗り物として使われる馬や牛に見立て、きゅうりや茄子に箸などを差して作る精霊馬を飾ったり、盆踊りが行われたりもします。地域によってその様式はさまざまですが、お盆はたいていの企業も休みとなり、家族や親族で集まり先祖供養を行う、古来より大切にされてきた日本の風習なのです。そして、よく耳を澄ませてみるとこの頃からひぐらしも鳴き始め、空も少しずつ高く感じられます。雲も真夏の入道雲に時おり薄い刷毛目のような秋の雲が混じり、だんだんと秋の気配を感じ始めます。季節の移り変わる空のもと、盆行事を通して自分の生について思いを巡らし、静かな秋を、そして一年の後半を迎える気持ちの準備をする変わり目ともいえそうです。
  • 華やかに御霊をお迎えする盂蘭盆会。

    朝から賑やかな蝉時雨の夏の盛り。鈴懸の工房ではカーンカンとお盆にお供えする蓮や桃の形をした落雁を菓子型から抜く音が響き渡ります。国産100%のうるち米を使った落雁粉でつくる鈴懸の落雁は、花や野菜を模した形もふっくらと愛らしく、またその色付けも吹き付けではなく、職人ひとりひとりの手技によって色がついた落雁を型の中で美しいグラデーションに施していきます。お供えするお菓子は、お盆の間に帰って来るご先祖様に食べて頂くという信仰に基づいたものですが、見た目も美しく私たちの目を楽しませてくれます。お盆に蓮の花が飾られたり、お供菓子にも用いられるのは、ご先祖様の御霊は蓮の花びらを舟にして戻っていかれると云われているからです。お盆の3日間が過ぎ、ご先祖様が戻られてからは、お供えしたお菓子もお下げし家族でいただきましょう。
    私たち日本人にとって、とても大切な盂蘭盆会の先祖供養。初盆など、ご持参する際のお供物やマナーなど各地域でも違い、戸惑うこともありますが、どうぞ各鈴懸の店頭にてお尋ねください。竹筒に入った栗鹿のこの籠盛りや、茶壺に入ったおしるこの法立、西瓜や桔梗、涼しげな水の波紋をかたどったお干菓子のご用意もございます。お供えの仕方に合わせてお選びください。
  • 菓子:お供菓子 落雁(餡入り)