• はじまりの春。
    立春大吉。

  • 旧暦では「立春」を一年の始めとし、農作業の動きの目安や季節の変わり目は、この立春から起算されます。農耕民族である日本人は、農作業に影響する季節の流れを掴むために雑節を設け、豊かな実りに向け懸命に日々を営んできました。立春から起算して八十八日目の雑節「八十八夜」は、この頃に摘むお茶は特別に上等なものとされ、立夏の三日程前をさします。また立春から起算して二百十日目にあたる「二百十日」は、台風が多く発生したり、稲の出穂期であるに関わらず強風が吹きやすいため、注意を促す雑節のひとつです。地方によってはこの「二百十日」の前後で、農業に多大な影響を及ぼす風や嵐を鎮める「風祭り」が行われます。
    立春の早朝、禅寺では縦書きした文字が左右対称となることで、一年の無病息災を願う厄払いとなることから「立春大吉」と書いた紙が門に貼られます。春を告げる春一番が吹くのも立春を過ぎた頃。固く閉ざしていた木々の芽もほころび始め、動植物も目を覚まします。一月で新しく年があらたまり、この二月に春を迎え、今年一年の本格的な動きが始まるのです。