• お盆
    精進料理

  •  八月八日は早いもので暦の上では秋となる立秋を迎えます。まだまだ暑い最中とはいえ、それでもお盆を迎える十三日頃には暑さも少し落ち着き、蝉の声もヒグラシやツクツクボウシに変わり、夏の終わりを告げはじめます。
     お盆は、祖先の御霊をお迎えし、おもてなしをしてお送りする日本人にとっては代々大切にされてきた夏の行事です。このお盆の間は本来、一日三回ご先祖様に精進料理を供え、家族でも同じものをいただいておりました。精進料理の「精進」とは、「物事に精魂込めて一心に進むこと」であり、「仏様の教えを一生懸命守ること」という意味があります。仏教の教えに基づき「殺生」や「いのち」について真剣に向き合い、考えあらためるための料理とされ、命ある動物の肉や魚を一切使わず、野菜・果物・海藻などを用いて調理されます。さらに野菜の中でもニラやニンニクなどの臭いがきついものや、刺激の強い香辛料も用いません。さらに禅宗の精進料理についての教えでは、
    五つの調理法(生、煮る、焼く、揚げる、蒸す)で
    五つの味つけ(甘い、辛い、酸い、苦い、塩辛い)をし、
    五つの色(赤、白、緑、黄、黒)を使う
    と細やかな決まり事もありますが、全てを守らずとも「いのち」について考え、感謝し、食材を無駄にすることなく調理して、生きて行くための必要最低限の栄養だけが摂れる料理でこの時期過ごしてみれば気持ちもあらたまり、夏の間に疲れた内蔵や体もリセットされますので、可能な方法でだけでも取り入れて過ごされると心身が清まり良いものです。
     余談ですが、お盆に備えられる白玉団子はご先祖さまがお帰りになるときのお土産とされていますので、お盆の十五日には白玉団子をお供えすると、ご先祖様も喜んでくださるかもしれませんね。