• お花見
    三色団子

  •  三寒四温を繰り返し、長く待たれた春もようやくその足音が聴こえてくるようになりました。春に咲き乱れる花の中でも、とりわけ日本人が古くより愛してきたのが桜の花。奈良時代にはすでにお花見の慣習があったともいわれています。時代が移り今となっても変わらず、春になれば咲き始めた桜の木の下に酒や弁当、菓子を持って人々は集います。なぜこれほどまでに桜の木を日本人は好み、大切にし続けているのでしょう。お花見はそもそも祓いの神事、宗教的行事が始まり。八百万の神の中に「サ」という山、田、稲の神様がおられ、「くら」は神様が鎮まる座を意味し、サ神が鎮座したとされる木を「サクラ」と呼んで、この木にお供えものをして豊作を祈り、宴を催したことが花見の由来とされています。春になり桜が開花することは、山から田にサ神が降りてきた証だったのです。
    「花より団子」と揶揄されるほどに、花見の席に持ち寄られる花見団子は、昔から変わらず桜・白・緑の三色です。神事から始まったお花見の慣習だけに、この三色団子にも意味があります。色彩的に縁起ものとされる紅(桜)白に、邪気を祓う色とされる緑を合わせたという説。また桜色は春、白は冬、緑は夏を指す三色を組み合わせたとされる説もあり、この三色には秋を指す色がありません。つまり秋が無いことから「飽きない」と団子屋さんの「商い」を掛けた日本人らしい洒落をきかせた言葉遊びからというものもあります。
    長く親しまれている慣習には、神の存在や人々の祈りが深く込められているものが多いもの。古くから神を崇める日本人としての遺伝子が、神が宿る合図として開花する桜の下に今でも人を集わせているのかもしれません。