• 端午の節句
    勝男武士

  •  五月になると空も青く澄み切って、すっきりと晴れ上がる日が増えてきます。そんな真っ青な空のあちらこちらに五色の吹き流しとともに舞う鯉のぼりの姿を見つけては、季節が巡ったことを実感します。元来、武家に男の子が生まれるとのぼりを立ててお祝いしていたものが庶民に広がった後、中国に古くから伝わる鯉の滝登りにあやかって立身出世を願い、のぼりに鯉を描いてお祝いしたことが鯉のぼりの始まりといわれています。武家社会から始まった端午の節句の風習ですから、家の外にはのぼりを立て、家の内には武家の男子にとって身を守る大切な道具であった鎧と兜が床の間に飾り付けられてきました。さらに、破魔として魔除けの意味を持つ弓と矢、そして日本では魂が宿るとされ神事に古くから用いられてきた太刀を鎧兜の両脇に飾ることで男の子の身を守り、家に繁栄をもたらすという意味も込められています。特に初節句にはお祝いをいただきますが、そのお返しによく遣われるのがかつおぶしです。武家の保存食や非常食として常備されていたかつおぶしは、「勝男武士」の文字にあてがい、縁起かつぎの品として今も用いられています。