• 元旦
    お雑煮

  •  年が改まる一月は、一年の中でも特に行事が多く、それに伴って食される行事食も多く存在します。古くから伝わる日本の行事にはそれぞれにいわれがあり、行事食にも意味をかけ、願いをかけて体の中に取り込むものとして、その慣わしが繋がれてきました。元旦にいただくお節には、ひとつひとつの料理がすべて意味を持つことをご存知の方は多いと思いますが、同じく元旦にいただくお雑煮にもいわれがあることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。お雑煮に必ず入れられる餅がよく伸びることから「長寿」を祈願して食べられているのです。お雑煮は美味しくて大好きという方は多いものの、お正月だけにしか食べられないのはなぜでしょう。これは、その年の年神様にお供えをしたお餅や食べ物(野菜)をお下がりとしていただいたのが始まりだったため、とりわけ特別な意味合いを持ち、お正月の間にだけに食される行事食として受け継がれてきたようです。本来、このお雑煮やお節料理をいただく時には両端が細くなった祝い箸を使います。これは、一方を私たち人が口をつけ、もう一方は神様が使われる「神人共食」を表したもので、こんなことからもお雑煮が特別な行事食であることがわかります。具材にも意味があり、餅は大きくは「長寿」を意味しますが、「東の角餅、西の丸餅」と言われるように、東日本では昔、武士たちが戦いの前に「敵をのしてしまおう!」と、のし餅を切って雑煮に入れて食べたことが由来して角餅である一方、西日本では「家庭円満」をかけて丸餅が食べられています。また、元旦から三日間かけて餅の数を毎日ひとつずつ増やしていき、「食い上げる」と縁起を担いで食べられる地方もあるようです。何気なく食べられている行事食ですが、ひとつひとつに必ずと言っていいほど意味が込められ、時代を超えて繋がれているものです。今年一年も円満に健やかに過ごせるよう、巡ってくる行事ごとに食ベられ続ける慣習をも大切にしたいものです。