鈴懸 すずかけ

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元旦 大福茶

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新しい年を迎えた元旦の朝四時に、家の主が汲みおいた水を若水といいます。この若水は邪気を払う縁起の良い水とされ、まずは神棚の歳神様へ供えられた後、家族でいただく雑煮を煮たり、大福茶を淹れたりすることに用います。井戸水を日常に使用していた昔は、若水をできるだけ遠いところから汲んで来ることが良いとされていましたが、昨今では都会に限らず、どこでも井戸を見かけることがほとんどありません。そのため今では、しめ飾りをした家庭の水道の蛇口であれば、そこから汲んだ水でも良いとされているようです。この若水を沸かして淹れたお茶が大福茶(おおぶくちゃ)です。古くから京都に伝わる慣わしで、福梅と呼ばれる梅干しや結び昆布を入れた湯飲みに、縁起のいい若水で淹れた煎茶を注いだもので、新年を迎えた喜びと、この一年の無病息災を願っていただきます。京都を中心に嗜まれているものですが、新年を寿ぐ縁起茶をいただいて気持ちよく二〇一八年を始めてみませんか。

元旦 お雑煮

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年が改まる一月は、一年の中でも特に行事が多く、それに伴って食される行事食も多く存在します。古くから伝わる日本の行事にはそれぞれにいわれがあり、行事食にも意味をかけ、願いをかけて体の中に取り込むものとして、その慣わしが繋がれてきました。元旦にいただくお節には、ひとつひとつの料理がすべて意味を持つことをご存知の方は多いと思いますが、同じく元旦にいただくお雑煮にもいわれがあることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。お雑煮に必ず入れられる餅がよく伸びることから「長寿」を祈願して食べられているのです。お雑煮は美味しくて大好きという方は多いものの、お正月だけにしか食べられないのはなぜでしょう。これは、その年の年神様にお供えをしたお餅や食べ物(野菜)をお下がりとしていただいたのが始まりだったため、とりわけ特別な意味合いを持ち、お正月の間にだけに食される行事食として受け継がれてきたようです。本来、このお雑煮やお節料理をいただく時には両端が細くなった祝い箸を使います。これは、一方を私たち人が口をつけ、もう一方は神様が使われる「神人共食」を表したもので、こんなことからもお雑煮が特別な行事食であることがわかります。具材にも意味があり、餅は大きくは「長寿」を意味しますが、「東の角餅、西の丸餅」と言われるように、東日本では昔、武士たちが戦いの前に「敵をのしてしまおう!」と、のし餅を切って雑煮に入れて食べたことが由来して角餅である一方、西日本では「家庭円満」をかけて丸餅が食べられています。また、元旦から三日間かけて餅の数を毎日ひとつずつ増やしていき、「食い上げる」と縁起を担いで食べられる地方もあるようです。何気なく食べられている行事食ですが、ひとつひとつに必ずと言っていいほど意味が込められ、時代を超えて繋がれているものです。今年一年も円満に健やかに過ごせるよう、巡ってくる行事ごとに食ベられ続ける慣習をも大切にしたいものです。

お正月 鏡餅

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正月飾りといえば、門松、注連飾り、鏡餅。本来、農耕民族である私たち日本人が五穀豊穣を司る年神様をお迎えすることがお正月祝いの行事の始まりです。元旦から一月七日までを松の内と呼び、この七日間が正月です。門松は、年神様が天から里に降りて来る時の依りしろとされ、目印となるもので正月飾りの中でも重要とされます。注連飾りは、その年神様をお迎えする清浄な場所として整えられた聖域であることを縄を張り、神様にお知らせし、災いが外から入って来ることを防ぐとされます。鏡餅は、いわば年神様のご神体。三種の神器のひとつとして古来より大切にされてきた鏡はそこに神様が宿るとされ、神社でも本殿の中心に祀られ、ご神体とされています。収穫した米で餅をつき、丸い宝鏡に似せて丸形に整え飾るものが鏡餅です。住宅事情の移り変わりで門松や注連飾りは省略する家庭も最近では多く見られますが、それでも鏡餅を飾られるご家庭は今も多いことでしょう。この鏡餅はお正月に飾るだけでなく、食べることがとても大切。松の内の後、十一日に行う鏡開きは、年神様にお供えしていたものに刃物を向けることは大変失礼なことのため包丁などで切り分けず、手や小槌で叩いて割り開くことから鏡開きと言われます。神様へのお供えをおろして食べることで神様の力を私たちの体のなかに取り込めるとされているのです。食べてこそ意味のある鏡餅。鏡開きの十一日には、邪気を祓うとされる赤い小豆とともにぜんざいなどにして二〇一六年の年神様のパワーをいただき、今年の無病息災を祈願いたしましょう。

古きことは新しきこと

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元日の朝。
いつもの日常とは違った、どこか凛とした空気が感じ取れます。この特別な空気に満ちた元日の朝の気が陽に転じた明け方四時頃に家の主が水を汲みおき、年神様へのお供えや家族の食事に使う“若水”は邪気を払う縁起の良い水といわれます。私たち人間は水から誕生した生命を受け継ぐ生物であり、身体の6割は水でできています。今年最初の神聖なエネルギーが満ちている若水をまず身体に取り入れることは、今年一年を清々しく息災に暮らすことに繋がるのです。
昔から良いこととされるあまたのことは、縁起を担いだり、習わしとしながら私たちに大切なもののあり方を諭してくれるものなのです。
特別な時間が過ぎていくお正月の食べ物やお飾りは、そのひとつひとつに私たちが暮らしていく上での大切な思いが込められています。お正月の間だけでも古より伝えきくことに思いを巡らし、自分の中に取り入れていくことで新たな生命の輪を幾重にも豊かに広げてみてはいかがでしょう。