鈴懸 すずかけ

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春のお彼岸 ぼた餅

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お彼岸にいただくお菓子といえば、ぼた餅。この“ぼた餅”は春のお彼岸での呼び名。今の時期に美しく咲き誇る牡丹の花を映し、丸く大きく作られるのがぼた餅です。一方、同じお菓子でも秋のお彼岸の時には“おはぎ”と呼ばれます。秋風に揺れる萩の花に似せ、ぼた餅よりも小ぶりに仕上げ、楕円形に作られます。さらにこのぼた餅とおはぎは、形だけでなく使われる小豆にも違いがあるのです。“ぼた餅”はこし餡。“おはぎ”はつぶ餡。その訳は、材料となる小豆の収穫時期が秋のため、穫り立ての皮の柔らかい小豆を使うことのできるおはぎには、皮ごと潰してその食感も楽しめるつぶ餡で作り、少々小豆の皮が固くなってしまっている春の時期に作るぼた餅は、こし餡で作られるのです。小豆には解毒作用も期待され、利尿作用があり、むくみの解消などにも用いられます。しかも、むくみを解消する効果が期待できる食材には身体を冷やしてしまうものが多い中で、小豆は身体を温める効果があるので、女性には特に嬉しい食材とも言えます。春は芽吹きの時期。人も自然と同じリズムで生きていますから、木々の新芽が芽吹く頃は、人の身体の中でも陽の気が巡り、色々な変化が起こります。春に不調を訴えることが多いのはそのせい。しっかりと小豆など解毒作用のある食材を取り入れて、柔らかな気持ちのよい季節を笑顔で楽しみたいですね。

春は苦み 目覚めの合図

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二十四節気の大きな節目となる春分を、この三月二十一日に迎えます。いよいよ草花が生い茂る弥生となる「春分」の日は、自然を讃え、いきものを慈しむ日とし、日本の祝日にされています。この日、昼と夜の長さが同じとなり季節は春へと巡ります。
冬の間、じっと土の中で力を蓄えていた植物やいきもの達が、春を迎えるといっせいに芽吹き、活動し始めます。この活動し始めの春の頃、いきもの達は苦みのある食べ物を求めます。冬眠していた熊が春になり目覚めて最初に口にするのは、ふきのとうと言われているのをご存知でしょうか。これは、ふきのとうの苦みを体に取り入れることで、冬の間に溜め込んだ老廃物を出し、活発に動けるよう、体を目覚めさせるためなのだそうです。人の体も同じこと。食養生で「春は苦み、夏は酢の物、秋は辛み、冬は脂」と言われるように、人の体も春に苦みのある食材を摂ることで、冬の間に溜めた老廃物や、余分な脂肪を出し、体の流れをスムーズに整えることができるのです。花々が芽吹いたら、苦みある春の食べ物を口にして、体を中から目覚めさせる合図です。

暑さ寒さも彼岸まで

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春雷が春の訪れを告げ、大地から冬ごもりしていた虫たちが雷の音に起こされて這い出て来る頃になると日ごとに暖かさも増し、田の稲や作物もどんどん育ち始めます。そんな三月の半ばに迎える春分は「自然を讃え、生物を慈しむ」日とされ、お彼岸の中日と呼ばれます。お彼岸とはこの中日の前後三日間をさし、先祖供養やお墓参りをいたします。
春のお彼岸にぼたもちを食べる習慣がありますが、このぼたもちは、昔、牡丹の花が咲く春のお彼岸の頃に小豆餡を牡丹の花に見立て、豊穣を祈い先祖・神仏に捧げる供物として捧げていたお菓子なのです。そのため、春のお彼岸に供物として用い、食べられるのは“ぼたもち”、萩の花の咲く秋のお彼岸に用いるのは、同じ材料で作っても“おはぎ”と呼ばれます。
お彼岸を迎える頃は、一年のうちでも一番過ごしやすい時期。先祖にお参りをした後は、お気に入りのお重にぼたもちを詰めて、いつものお茶の時間を気持ちの良い外で過ごしてみてはいかがでしょう。