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夏の土用 土用餅

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今年は梅雨が明けぬうちから猛暑になりそうだと囁かれ始めているようです。七月十九日の夏の土用入りから、一年で最も暑さが厳しいとされる時期に入ります。ただ暑くて過ごしにくいだけでなく、疫病が流行るなど、夏を息災に乗り切るのも大変だった江戸の頃は、この夏の土用を乗り切るために「丑湯」といって柿の葉などの薬草を入れた風呂に入ったり、栄養のあるうなぎを食べたりして、様々に対策を取ってしのいでいたようです。江戸時代とは違い、恐ろしい疫病におののくことはなくなった現代といえども、やはり猛暑を元気に乗り切るのは大変なもの。日本人の体を守るために古くから伝えられる「土用の食い養生」の知恵は、時代が変わっても私たちの生活に役立てると良いものです。栄養豊富で精がつくうなぎ、クエン酸豊富で夏バテを防ぐ梅干し、夏が旬を迎える西瓜(すいか)、胡瓜(きゅうり)、苦瓜(にがうり)、冬瓜(とうがん)など、どれも名前に瓜がつく瓜類の食べ物は利尿作用が高く、体の中にこもった熱を取るなどの夏には嬉しい効果が期待できます。お菓子にも土用を乗り切る「土用餅」なるものがあることをご存知でしょうか?この土用餅、古くは宮中で暑気あたり防止のために丸めた餅を土用の入りに味噌汁に入れて食べられていた風習を、江戸時代に餅を小豆餡で包み込んだあんころ餅に変化させ庶民にも広く知られ、食べられるようになったようです。小豆は厄除けに通じ、また餅は力餅に通じることから、土用餅を食べることで無病息災に過ごせるようにと想いを込められて食べ続けられているのです。

目にも涼やかに食養生

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2013年7月22日は夏の土用の丑の日。土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の四立の前の約18日間のことをいい、立秋直前の丑の日が夏の土用の入り、最後の日は節分(立秋)となります。土用は本来、“土の気が旺(さかん)になり事を用うる”という、土が最も働く時のことで、この時期は土いじりや殺生を忌む風習があります。また猛暑の時期でもある夏の土用には、鰻や古代より厄除けに通じると云われる小豆で包んだ土用餅などを食べ、食養生をして夏を乗り切る備えとし、その習慣は今も続いています。鈴懸でも、この時期だけのお取り扱いとなる土用餅が店頭に並びます。山形のもち米・彦太郎糯でつくる鈴懸の土用餅は香り豊かで、もちもちとしながらもさくっと噛み切れるのが特徴です。葉も花も実も滋養ある蓮を菓子器に見立て、つややかな餡に包まれた土用餅を目でも楽しみながら暑い夏を乗り越えてみてはいかがでしょう。

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