和菓子と歳時記

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元旦 大福茶

新しい年を迎えた元旦の朝四時に、家の主が汲みおいた水を若水といいます。この若水は邪気を払う縁起の良い水とされ、まずは神棚の歳神様へ供えられた後、家族でいただく雑煮を煮たり、大福茶を淹れたりすることに用います。井戸水を日常に使用していた昔は、若水をできるだけ遠いところから汲んで来ることが良いとされていましたが、昨今では都会に限らず、どこでも井戸を見かけることがほとんどありません。そのため今では、しめ飾りをした家庭の水道の蛇口であれば、そこから汲んだ水でも良いとされているようです。この若水を沸かして淹れたお茶が大福茶(おおぶくちゃ)です。古くから京都に伝わる慣わしで、福梅と呼ばれる梅干しや結び昆布を入れた湯飲みに、縁起のいい若水で淹れた煎茶を注いだもので、新年を迎えた喜びと、この一年の無病息災を願っていただきます。京都を中心に嗜まれているものですが、新年を寿ぐ縁起茶をいただいて気持ちよく二〇一八年を始めてみませんか。

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