和菓子と歳時記

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節分 イワシ

二月三日は節分。二〇一七年、今年の気はこの節分を境に二月四日からいよいよ回り始めるとされる、一年のうちでとても大切な日です。新しい年に佳い気を巡らせるために、三日の日に前の年の邪気を鬼と見立て「鬼は外、福は内」と掛け声をかけながら豆をまき追儺をするのは知れたところですが、他にも節分には「イワシ」を飾ったり食べたりする風習があることをご存知でしょうか?イワシの語源がその漢字「鰯」を見てもわかるように「弱し(よわし)」や「卑し(いやし)」であり、さらに臭みのある魚であるため、このイワシを食べることで「陰の気を消し去る」とされるのです。そのため節分にイワシを生姜炊きなどにして食べられたり、さらにはその煙までもが厄除けの効果があるとされ、焼いたイワシの頭と、鬼が先の尖ったものを嫌がることから柊の葉と一緒に「柊鰯」を作り、玄関に飾る風習も地域によっては残っています。鬼の嫌がる焼いた鰯の臭いで追い払い、それでも近づく鬼は、柊の尖った葉が鬼の目を刺し、さらには豆をぶつけて鬼(邪)を払えば、今年の気は福とともに舞い込んできてくれるのです。今年一年、皆様のご家庭にも福の気が円満に巡りますように。

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