鈴懸 すずかけ

和菓子と歳時記

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五月晴れの空に舞う五色のちから

つい最近まで競うように咲き誇っていた桜も、いつの間にか蒼々とした艶やかな葉を生い茂らせ、降り注ぐ陽の光も春の頃とは違う一層の輝きを帯びる頃となって参りました。暦も皐月と変わり、五日の立夏からは初夏となります。爽やかな季節となり、空が高くなる端午の節句には、男の子の成長を祝う鯉が五色の吹き流しとともに青空を泳ぎ始めます。この吹き流しが、なぜ五色なのかというと、それは陰陽五行に基づいて重要な意味を持っているのです。五色の青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒は水を表し、全ての万物は陰と陽、つまり天と地の新木に二気によって生するとされています。吹き流しは、この五色をもって邪気を払い、清める滝を表すとされます。そのため、男の子の立身出世を祝う端午の節句には滝を勢い良く昇る鯉の上に、禍いを浄め、滝に見立てられた吹き流しがともに高く掲げられるのです。
鈴懸本店の入り口にも掲げられている五色の暖簾。日本の四季や風土、文化を重んじ菓子に映しとる鈴懸の暖簾は、すべて自然界に存在するもので染められ、訪れて頂くすべての方に清々しく過ごしていただけるよう、いつもお客さまをお出迎えさせていただいているのです。

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