鈴懸 すずかけ

和菓子と歳時記

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山が告げる博多の夏

町内名(流“ながれ”)を染め抜いた長法被を身につけた男衆を目にし始める頃、にわかに博多の町はいつも以上に活気づいてくる。福岡市の中でも博多区にて700年以上の永きに渡り、続けられてきた博多の総鎮守・櫛田神社に奉納する祗園祭“博多祗園山笠”が始まりを告げたのである。町の角々に笹竹が立ち、注連縄が渡される “注連下し”、山笠に神を招き入れる“ご神入れ”などの神事が執り行われる7月1日を皮切りに、男衆が長法被から締め込み姿となり、高さ約5m、重さ約1トンほどもある山を舁きながら旧博多部の街中を疾走する祭りのクライマックス“追い山”を迎える7月15日の早朝まで博多の町の熱狂は続く。ここ鈴懸は東流に属し、本社の目の前には鏡町の詰所が構えられる。7月1日の朝、鈴懸は祭りの期間中の無事を願い、夏の季菓“祗園饅頭”を櫛田神社に奉納し、熱い15日間の幕が開く。これぞ博多の祭り。山笠に熱狂する男達を“山のぼせ”というが、櫛田神社のお膝元、東流にある鈴懸は、当然、当主をはじめ職人達も山のぼせ。今年も櫛田神社に祗園饅頭を奉納し、博多の、そして鈴懸の夏が始まった。

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