【立冬】
雪待月の冬ごもり
十一月の二十四節気は七日の「立冬」、二十二日の「小雪」。また十一月の別名は「雪待月」「雪見月」ともいうように、暦の上でも「雪」という文字が目立ち始め、冬の本格的な到来を漂わせます。次第に紅く色づいていた木々の葉も散り、冷え込みも増していきます。江戸の頃、こたつを出すのは旧暦の十月(亥の月。今では概ね十一月)の、初亥の日とされていました。火事を恐れていた昔は、五行で火を司る水気である“亥の月の亥の日”にこたつを出せば、その冬は火事から免れることができるとされていたようです。小雪の頃までは、雪が降る始める地域があるものの、まだまだ本格的な冬とまではいきません。降る雪も、さほど多くない時期であることから小雪といわれたようです。来月は師走。冬も本格的になり慌ただしく過ぎる年末を前に、立冬や小雪の声を聞いた時から、暖房器具を出したり、お歳暮や年賀状の準備を始めるなど冬のくらしの支度を整えるきっかけとするのも良いかもしれません。