【元旦】
お正月 鏡餅
正月飾りといえば、門松、注連飾り、鏡餅。本来、農耕民族である私たち日本人が五穀豊穣を司る年神様をお迎えすることがお正月祝いの行事の始まりです。元旦から一月七日までを松の内と呼び、この七日間が正月です。門松は、年神様が天から里に降りて来る時の依りしろとされ、目印となるもので正月飾りの中でも重要とされます。注連飾りは、その年神様をお迎えする清浄な場所として整えられた聖域であることを縄を張り、神様にお知らせし、災いが外から入って来ることを防ぐとされます。鏡餅は、いわば年神様のご神体。三種の神器のひとつとして古来より大切にされてきた鏡はそこに神様が宿るとされ、神社でも本殿の中心に祀られ、ご神体とされています。収穫した米で餅をつき、丸い宝鏡に似せて丸形に整え飾るものが鏡餅です。住宅事情の移り変わりで門松や注連飾りは省略する家庭も最近では多く見られますが、それでも鏡餅を飾られるご家庭は今も多いことでしょう。この鏡餅はお正月に飾るだけでなく、食べることがとても大切。松の内の後、十一日に行う鏡開きは、年神様にお供えしていたものに刃物を向けることは大変失礼なことのため包丁などで切り分けず、手や小槌で叩いて割り開くことから鏡開きと言われます。神様へのお供えをおろして食べることで神様の力を私たちの体のなかに取り込めるとされているのです。食べてこそ意味のある鏡餅。鏡開きの十一日には、邪気を祓うとされる赤い小豆とともにぜんざいなどにして二〇一六年の年神様のパワーをいただき、今年の無病息災を祈願いたしましょう。