【端午の節句】
端午の節句は邪気払い
新緑の葉が太陽の陽射しを受けて煌めき、川の水もぬるみ始めてきました。爽やかな風が吹き始める五月五日は男の子の健やかな成長を願う端午の節句です。実は、この頃から急に気温も暑くなり始め、ものが腐りやすくなり、疫病も多くなる時期であることから古くは悪月、物忌みの月とされていました。そのため、薬草として用いられていた菖蒲の強い香気で邪気を払うよう、菖蒲湯につかって厄払いをしていたのです。このことから五月五日は、菖蒲の節句とも言われます。
そして、節句菓子といえば柏餅。柏の木は新芽が出ない限り古い葉が落ちません。この特徴から子孫繁栄の縁起を担ぎ、柏餅が端午の節句では食べられるようになりました。また、蓬も霊験あらたかな薬草として珍重されていたため、子孫繁栄と邪気払いの想いが込め、柏餅に蓬をつかったものもあるのです。男の子の成長を願うとともに、菖蒲湯に入り、柏餅を食べ、この時期の気鬱を吹き飛ばしてしまいましょう。