和菓子と歳時記

【お盆】

華やかに御霊をお迎えする盂蘭盆会


朝から賑やかな蝉時雨の夏の盛り。鈴懸の工房ではカーンカンとお盆にお供えする蓮や桃の形をした落雁を菓子型から抜く音が響き渡ります。国産100%のうるち米を使った落雁粉でつくる鈴懸の落雁は、花や野菜を模した形もふっくらと愛らしく、またその色付けも吹き付けではなく、職人ひとりひとりの手技によって色がついた落雁を型の中で美しいグラデーションに施していきます。お供えするお菓子は、お盆の間に帰って来るご先祖様に食べて頂くという信仰に基づいたものですが、見た目も美しく私たちの目を楽しませてくれます。お盆に蓮の花が飾られたり、お供菓子にも用いられるのは、ご先祖様の御霊は蓮の花びらを舟にして戻っていかれると云われているからです。お盆の3日間が過ぎ、ご先祖様が戻られてからは、お供えしたお菓子もお下げし家族でいただきましょう。
私たち日本人にとって、とても大切な盂蘭盆会の先祖供養。初盆など、ご持参する際のお供物やマナーなど各地域でも違い、戸惑うこともありますが、どうぞ各鈴懸の店頭にてお尋ねください。竹筒に入った栗鹿のこの籠盛りや、茶壺に入ったおしるこの法立、西瓜や桔梗、涼しげな水の波紋をかたどったお干菓子のご用意もございます。お供えの仕方に合わせてお選びください。

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