【お盆】
お盆 落雁
お盆にご先祖様に供えられる、白や黄の鮮やかな色彩で蓮の花などにかたどられた落雁。お米のでんぷん質の粉と砂糖を使い、型に押して乾燥して作る「打ちもの」と呼ばれる日本三大銘菓の一つです。古くは贅沢品であった砂糖をふんだんに使ったお菓子は、身分の高い人でないと食べることができませんでした。お盆のお供えとして落雁がつかわれるようになったのは、「百味飲食(ひゃくみのおんじき)」という仏教の教えに起源すると言われます。これは、お釈迦様の弟子であった木蓮尊者が餓鬼道に落ちた母親を救うために、自分の親だけでなくたくさんの修行僧や他の大勢の方にも飲食を施しなさいというお釈迦様の教えに従って母親を救ったというものです。百味飲食とは、美味しいものという意味で、当時、甘いものが贅沢な食べ物だったため、最も美味しく贅沢な落雁が供えられるようになったようです。また、蓮の花は極楽浄土に咲くとされ、お供えの花では最高のものとされます。そのため、この蓮の花がかたどられた落雁がよく供えられているのです。お供えのしかたは高坏(たかつき)の上に半紙を二つ折りし、その上に落雁の中身を出します。同じものを二つ作り、左右に一つずつ対としてお供えいたしましょう。お供え後は、おさがりといわれ、いただいても良いとされています。砂糖を固めたお菓子ですので、そのままお菓子としていただいてもよいのですが、お料理などに使われてもよいでしょう。