【神嘗祭】
神嘗祭 新穀
田んぼが黄金色に輝く秋となりました。日本中のいたるところで五穀豊穣を感謝する秋祭りで賑わいだしたようです。特に十月の伊勢神宮では「神宮のお正月」といわれる神嘗祭が執り行われます。神嘗祭はその年に収穫された初穂を天照大御神に捧げる神事で、新穀と共に神饌としてアワビや伊勢海老、鯛などのご馳走が約三十品目も供えられます。伊勢神宮の神職に携わっていた方々は、かつては天皇が新穀を召し上がる十一月の新嘗祭を迎えるまでは、新穀を口にしなかったといいます。この神嘗祭が行われる十月十七日は、以前は大祭日として国民の休日と定められていたほど、伊勢神宮で執り行われる祭りの中でも、とりわけ大切なものとされていました。この神嘗祭を機に装束などを一新するのも特徴です。神嘗祭の「嘗」の字は食べ物でもてなすという饗の字に由来します。新米はもちろん、実りの秋というほどに秋は穀物、野菜、果物と美味しいだけでなく栄養ある食べ物が豊かな季節。今年も豊かな食に恵まれたことに感謝して、秋を堪能いたしましょう。