• 百花繚乱の花詣で。

  • 卯月に入り、穀雨を迎えるまでの期間を“清明”といいます。清明とは「万物発して清浄明潔(せいじょうめいけつ)なれば、此芽は何の草としれる也」から発し、この時期は草木が芽吹き出すため、その芽が何の種類の草木なのかが明らかになり始める「清浄明潔」の略からきています。四月の陰暦「卯月」の卯の字には「茂る」という意味があり、また「う」は「初・産」を意味し、循環の最初を表します。卯月は全ての草花が次々と芽吹き、花々が色とりどりに咲き乱れ、万物が清々しい美しさに満たされる時期なのです。
    古く日本には、穢れをさけて慎む忌み日がありました。この日は家からでて戸外で過ごし、禍いを避けます。春の物忌みの日には野山にでかけ瑞々しい草木の生気を取り込む野遊びをして、夏への気力を養ったようです。
    自然に寄り添い生きることで、今に生きる私たちも豊かに気力が充実して生命力が漲ることでしょう。先人に学び、百花繚乱のこの素晴らしい時期に、清々しい空気を求めて花詣でへとお出かけしてみませんか。
  • 端午の節句は邪気払い。

    新緑の葉が太陽の陽射しを受けて煌めき、川の水もぬるみ始めてきました。爽やかな風が吹き始める五月五日は男の子の健やかな成長を願う端午の節句です。実は、この頃から急に気温も暑くなり始め、ものが腐りやすくなり、疫病も多くなる時期であることから古くは悪月、物忌みの月とされていました。そのため、薬草として用いられていた菖蒲の強い香気で邪気を払うよう、菖蒲湯につかって厄払いをしていたのです。このことから五月五日は、菖蒲の節句とも言われます。
    そして、節句菓子といえば柏餅。柏の木は新芽が出ない限り古い葉が落ちません。この特徴から子孫繁栄の縁起を担ぎ、柏餅が端午の節句では食べられるようになりました。また、蓬も霊験あらたかな薬草として珍重されていたため、子孫繁栄と邪気払いの想いが込め、柏餅に蓬をつかったものもあるのです。男の子の成長を願うとともに、菖蒲湯に入り、柏餅を食べ、この時期の気鬱を吹き飛ばしてしまいましょう。
  • 菓子:蓬乃柏餅