春彼岸ぼたもち、秋彼岸おはぎ

連載 すずなり

春と秋、年に2回訪れるお彼岸。それぞれ春分の日と秋分の日をお中日として、その前後3日間に渡る仏教行事のことをお彼岸といい、ご先祖様に感謝してお墓参りをするのが習わしです。春分の日と秋分の日には太陽が真東から昇り、極楽浄土があるとされる真西に沈むため、この日はご先祖様に思いが通じやすいと考えられたことから、特にこの期間に故人を供養し、感謝を伝えることが古くから日本で続けられてきました。

今年の春の彼岸入りは3月17日。お中日となる春分の日は3月20日です。春のお彼岸には“ぼたもち”をお供えします。ちなみに、秋のお彼岸に供えるのは“おはぎ”。実はどちらも同じ、蒸した糯を餡で包んだお菓子です。餡の材料となる小豆の赤い色が邪気を払う特別な力が宿っていると信じられてきたため、餡を使った餅が供えられてきました。春は牡丹の花に見立て“ぼたもち(牡丹餅)”、秋は萩の花に見立てて“おはぎ(お萩)”と呼ばれるのが一般的ですが、地域によっては一年中“おはぎ”と呼ぶところもあるようです。同じお菓子を季節の花に見立てて呼び分けるなんて、古くから日本人は美しい感性を持っていたのですね。

 

さて鈴懸では、ぼたもち・おはぎを年間通して6種類ほどご用意しております。「ぼたもち・おはぎ」は北海道十勝産小麦を炊き上げたつぶあんで、挽き割り糯を包んだもの。「ぼたもち・おはぎ/こしあん」は、挽き割り糯をこしあんで包み、ケシの実が乗ったやさしい味わいです。「黒豆黄粉のぼたもち・おはぎ」は、たっぷりまぶした黒豆黄粉の香ばしさが風味豊かに広がります。これら3種は、昔から親しまれた定番の味わいです。そして、鈴懸らしい変わり種としてもう3種。8月に登場する希少な白小豆をたっぷりと使い、生姜を練り込んだ「白小豆と生姜のぼたもち」は甘さ控えめで爽やかな美味しさ。「五色玄米のぼたもち」は無農薬の合鴨農法で栽培された五色玄米を糯米と炊き合わせて、つぶあんを包みました。1月には新年の邪気払いの意を込めて七草入りの「七草おはぎ」が登場します。

お彼岸のお供えとして用いられるぼたもちやおはぎですが、その美味しさから日頃のおやつとしても楽しまれています。年間を通して、6種ものぼたもち・おはぎの味わいが楽しめるのは鈴懸ならではかもしれません。定番のつぶあんや、こしあん、黄粉は鈴懸でもいつの季節も人気ですが、わずかな期間しか店頭に並ばない白小豆と生姜や、五色玄米、七草もまた、その季節が巡るのを楽しみにしてくださっているお客様も多くいらっしゃいます。お彼岸にはご先祖様への感謝を込めてお供えをしていただきながら、ご自身でも巡る季節をぼたもちや、おはぎでお楽しみくださいね。3月は「ぼたもち」、「ぼたもち/こしあん」、「黒豆黄粉のぼたもち」の3種をご用意しております。

 

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