水も滴る、いい小豆

連載 すずなり

あんこ好きの皆様は、この暑い日々はどんな和菓子がお好みでしょうか?よく冷やした緑茶などに合わせてお饅頭や上生菓子を楽しまれている方も多いと思いますが、夏の時期だけのお楽しみ「特製水羊羹」はいかがでしょう?

鈴懸の「特製水羊羹」は昔から変わらない製法で、小豆から丁寧に仕立てます。粒が大きく風味の良い北海道産の小豆を軽く茹で、煮汁を捨てて渋みやアクを取り除きます。豆が潰れるほど柔らかく煮て、茹で汁を捨て、皮を取り除き、そして何度も水にさらす作業を繰り返します。この〝渋を切る“と言われる工程を丁寧に行うことで小豆の風味をより良くし、雑味が残りません。

氷砂糖をゆっくり溶かし、より滑らかに仕上げるために糸寒天を加えて丁寧に丁寧に加熱しながら混ぜ合わせていきます。良い加減に煮た小豆に加える氷砂糖の塩梅がすっきりとした控えめな甘さ、寒天の量が口当たりの良さをもたらします。

「特製水羊羹」は自立しないほど滑らかな仕上がりのため、冷ましたら型に流し込んでいきます。この製法は手間もひまもかかるものですが、口に含むと水分を感じてしっとり溶けていく、暑い夏こそお楽しみいただきたいお菓子なので、昔ながらの製法を守り続けております。

そして仕上げは程よい塩味と爽やかな香りをもたらす桜葉を添えて。この桜葉はもちろんお召し上がりいただけるものですが、取っていただいても羊羹にほんのりと塩味も香りも移っておりますのでお好みでお楽しみください。冷やしていただく方が美味しいのですが、あまり冷やしすぎると優しい甘味を感じづらくなってしまいますので、お召し上がりの直前に少し冷やしていただく程度をおすすめします。そして、せっかくの水分が流れてみずみずしさや滑らかさが損なわれないよう、容器から取り出さずにお召し上がりください。夏のような暑さが梅雨時期から冬の入り口まで続いてしまう昨今。暑い時だからこそ楽しめる涼菓をおともに、元気に乗り切っていただければと思います。

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