暴風雨なんてあっかんべー!!

連載 すずなり

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!夏本番を目の前に、各地では夏祭りが催され始めました。本来、夏祭りとは豊作を妨げる台風や害虫、夏に流行しやすい疫病退散を願い、地域の神様に祈りを捧げるものです。鈴懸の本店のほど近くにある櫛田神社。ここは福岡の中でも商人の町・博多の氏神・総鎮守とされ、毎年7月1日から15日にかけての奉納神事である博多祇園山笠は、全国に知られる勇壮な祇園祭です。この博多祇園山笠は、諸説ありますが1241年に疫病が流行した博多の町を承天寺の開祖である聖一国師が祈祷水を撒きながら町を清めてまわり、疫病退散を祈願したことが祭りの始まりとされています。清道を設け、山笠を奉納するのはそのときの御礼参りなのだそうです。櫛田神社の手水舎には、水法被を纏った山笠の舁き手の男衆の姿が見て取れます。

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!拝殿に目を移すと、破風に彫られた木彫りの「風神雷神」の姿が飛び込んできます。左側に位置する雷神は、暴風雨を一緒に起こそうと手招いているのですが、神社の氏子の願いを聞き入れた風神は「あっかんべー」をして雷神の求めに応じないというユーモラスな姿で描かれています。いかにも商人の町・博多ならではの頓智の利いた表現ですよね。

鈴懸 山笠 掛け紙 風神雷神この楽しい風神雷神の姿は、鈴懸の山笠の時期だけの掛け紙「あっかんべー!!」としても登場します。櫛田神社の破風の姿そのままに、日本画家である神戸智行先生が描いた風神雷神も素敵です。この時期のお遣いものには、ぜひ「あっかんべー!!」の掛け紙も忘れずに! 風神さんに先様の疫病退散もお願いしちゃいましょう。行事饅頭として無病息災を祈願し、奉納している鈴懸の「祇園饅頭」は山笠の時期だけの限定商品。店頭や櫛田神社境内でお求めいただけます。

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!博多に本店を置く鈴懸にとっては、櫛田神社も博多祇園山笠も大切な氏神様であり、重要な祭りです。山笠を運営する博多の町で基本となる7つの区域のことを「流(ながれ)」と呼び、この流れはそれぞれいくつかの「町」で構成されています。1つの流で1本の山笠を運営し、祭りのクライマックスともいえる7月15日の早朝には重さが約1トンにもなる各流の舁き山笠が順に町を疾走し、タイムを競って櫛田神社を目指します。この日を迎えるまで山笠の舁き手たちは各町の詰所に集います。鈴懸本社は現在は下呉服町(しもごふくまち)に位置しますが、古くは神社の御神鏡を造る方が住んでいたことから鏡町(かがみちょう)と呼ばれていました。本社の工場敷地内に立つのは東流 鏡町の詰所です。

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!この鏡町の詰所に張られた陣幕は、神戸先生の手による七福神。どの神々も、櫛田神社の風神雷神と同様にユーモラスな姿で描かれています。

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!人々に幸せを分け与えてくれる布袋尊は大きなお腹をしてにこやかに微笑み、商売繁盛、勝運のご利益がある毘沙門天は大酒をくらっています。

鈴懸 連載すずなり 暴風雨なんてあっかんべー!!健康長寿のご利益がある福禄寿はいつもの宝珠や杖、巻物の代わりに鈴が描かれた米俵を横にし、祭りを見守るようにゆったり腰をおろしています。日本全国、各地域に鎮守神社があり、納める大切な地域の祭りがあります。祭りの時期ならではの奉納菓子もその地域ごとに異なります。7月に博多の町を訪れる機会がございましたら、どうぞこの時期だけの祇園饅頭や、「あっかんべー!!」の掛け紙、そして下呉服町に足を延ばして東流 鏡町の詰所陣幕もお楽しみください。もちろん、櫛田様へのご挨拶はお忘れなきよう。

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